在学生の方

イタリア・ミラノでの留学生活 2022-2023

留学先:ミラノ工科大学
留学期間:2022年9月~2023年7月
留学開始時期の所属・学年:芸術工学府 芸術工学専攻 環境・遺産デザインコース 修士課程2年

思い返せば、学部時代の設計演習でイタリア人建築家から指導を受けたことからイタリアへの憧れは始まっていました。日本の建築家とは違った切り口をもった指導は新鮮で、自然とイタリアで建築教育を受けたいと思っていました。Aldo RossiやGio Pontiといった私が尊敬する建築家の母校であること、授業が英語であること、ミラノという街がヨーロッパを旅行しやすいこと、イタリア料理が好きなこと…。交換留学先にミラノ工科大学があり、迷わず選びました。

非常に多くの生徒数を抱える大学でありながら、その大規模な環境を活かした教育が魅力だったと思います。定期的な著名建築家によるレクチャーやゲストスピーカーの講演は、専門知識を広げるだけでなく、彼らのワークに対する姿勢を直に得ることができました。また、マラソン大会など多彩なイベントが行われ、充実した日々を送ることができました。異なるバックグラウンドを持つ学生が集まる国際的な環境が刺激を生み出し、多角的な視野や幅広いコミュニケーションスキルを養うことができたことも魅力でした。

初めは、生徒数の多さから研究室のような小さなグループが少なく、多くは個人で行動する状況でした。自分の行動の迷いや不安を感じましたが、積極的に授業やイベントに参加し、意欲を持って取り組むことでその壁を乗り越えました。

ミラノは、歴史的建造物と現代建築が共存する場所で、古典建築からは風土に基づく美しい様式、現代建築からは歴史的背景に根ざした運動を目に見て体験することができました。また、大学での授業は様々な授業を組み合わせることでイタリアやヨーロッパの建築に関する知識を体系的に学べました。次に国際的に学びの視野を広げることができました。学生数の多いミラノ工科大学では世界各国からも留学生が沢山学びに来ており、異なる文化や背景を持つ学生と共にプロジェクトに取り組むことで多くの刺激を受けました。文化的、教育的な背景が違う学生たちと対話や図面を通したコミュニケーションをとったことで、自分が知らなかった各国の建築事情や知識を得て、自分の自信にもなり大きな財産になりました。さらに、現地の建築家との交流を通じて彼らの設計における建築思想について触れることができました。沢山の建築家との対話を通して、理論だけでなく実際の建築プロセスや課題についても深く理解を深めることができました。

講評会の様子

留学中は毎日新しいものと出会うと思います。何でもいいと思うので、気になったモノや事を追いかけてみてください。自分にだけ光るものが見えるかもしれません。

沢田 直人 

スタジオのお疲れ会