九州大学へ留学したい方

次のステップへ、さあ行こう!

2023年後期、芸工ですばらしいプロジェクトが誕生しました。その名も「Yataiプロジェクト」。留学生たちが日本人学生とともに、知恵と力を集め、時間をかけて屋台を作り上げたのです。「芸工で築く国境なき友情の架け橋 第4回 一歩を踏み出してみたら、ほらできた!」でインタビューしたAaronさんが、このプロジェクトを立ち上げました。彼はフリーコーヒーのプロジェクトをさらに一歩進めたいと考えました。

屋台は、福岡にとって特別な光景で、福岡市の景観を形成しています。中洲エリアには屋台がずらりと並んでいます。全国各地や海外から多くの人々が屋台に集まり、美味しい料理を楽しみながら、友人や屋台で出会った新たな知り合いとおしゃべりを楽しみます。Aaronさんはこの屋台のコンセプトを生かして、留学生や日本人学生、そして地元の人々が気軽に交流できる場所を作りたいと考えました。

Aaronさんの「Yataiプロジェクト」のミッションに共感し、10月に芸工にやってきたフランス、ドイツ、中国、イラン出身の留学生や日本人学生を中心に、さまざまなデザインバックグラウンドを持つメンバーがプロジェクトに加わりました。

プロジェクトの創成期
とても分厚い木版の切断に挑む学生たち

プロジェクトを進める過程で、メンバーは多くの困難を乗り越えました。例えば、竹林に行って竹を調達したり、竹の扱い方を勉強し、学外の専門家に経験したことのない材料の切り方や加工方法を教えてもらったり、屋台を頑丈にするための構造について試行錯誤し、料理を提供するための免許を取得したりなどなどです。資金面や日本のルールはプロジェクトの遂行にとって大きな制約になりましたが、メンバーは正面から困難に向き合い乗り越えて、夢を実現させたのです!

竹調達のため竹林に行った日
竹と仲良くなるメンバー

ついに屋台が完成したのはイベントの直前で、夜を徹しての作業でした。学外の専門家や、イベント関係者、先生方、工房のスタッフの協力を得て、屋台はとうとう完成したのです。

屋台で朝食を振舞う様子

プロジェクトメンバーは屋台完成のお祝いと、工房スタッフへの感謝の気持ちを込めて、イベント当日の朝、屋台で朝食を振舞いました。

残念ながら、11月に予定されていた那珂川沿いでのイベントは悪天候のため中止となり、12月に予定されていた大橋駅近くのイベントも大雪のため中止となりました。悔しさが残りながらも、メンバーは粘り強く活動を続け、屋台プロジェクトは2月に、ついに初の学外イベントの日を迎えました。 福岡市植物園のボタニカルライフスクエアで開催されたイベントで、屋台を設置するためのスペースと時間を確保できたのです。このイベントでは、多くの地元の人々が屋台を訪れ、屋台プロジェクトのメンバーと英語や日本語で会話を交わしました。屋台プロジェクトに相当な関心を抱いてくれた人もいました。そのため、メンバーは将来のイベントのための人的ネットワークも築くことができました。Yataiプロジェクトのメンバーであるフランス人留学生のMariamさんは、屋台の周りを走り回る子どもたちがいたり、それを見守る家族の笑顔が素晴らしい雰囲気だったと話してくれました。

屋台の概観

このYataiプロジェクトから、芸工では、学生たちが学内の教職員や学外の専門家の助けを借りながら、大規模なプロジェクトを実現するチャンスがあることがおわかりいただけたと思います。もちろん、課題や困難もあります。実際、地元の学外の人々やキャンパス内の教職員やスタッフとのコミュニケーションも課題のひとつです。特に留学生は、文化や言語の違いから、コミュニケーションに特に努力を払う必要が生じます。しかし、その頑張りによって、メンバーたちは異国の地の文化に浸り、様々な人々との深い友情を得ることができたのも事実です。この場を借りて、プロジェクトのメンバーの努力を称えたいと思います。

今後は、芸工に来た留学生が福岡の地で活躍し、地域の人々と交流する場として、この屋台が継続的に活用されていきます。屋台での交流を通じて、留学生と日本人学生、大橋地区、そして福岡がつながっていくことでしょう。Yataiプロジェクトは「Misugi」という新しい名前のプロジェクトへと継承されました。屋台のカウンターは3本の杉の木で構成されていました。日本語の「スギ」、「3」を意味する「ミ」を取って、この名前が作られました。これから芸工や九大に来る留学生は、必ずどこかで彼らの活動を目にすることでしょう。新たな留学生がプロジェクトに参加し、継続していくことで、プロジェクトがさらに発展していくことを願います。Misugiから目が離せませんね!彼らのインスタグラムのアカウントもぜひチェックしてみてください。

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<執筆者>
長谷川 愛
芸術工学府人間生活デザインコース 修士2年

私は外国の文化にとても興味があります。なかでも中国文化が大好きです。芸工で留学生と友達になると、自分の視野が広がるのでわくわくします。芸工は、自分のクリエイティビティを高められるだけでなく、国際的な視野を広げられる場所でもあります。留学生も日本人学生も、芸工の国際性を活用しましょう!