在学生の方

ドイツ・ダルムシュタットの学生生活2011-12

留学先:ダルムシュタット科学技術大学
留学期間:2011年9月~2012年8月
留学時の所属と学年:大学院 芸術工学府 芸術工学専攻 修士1年コンテンツ・クリエーティブデザインコース

ダルムシュタット科学技術大学でデザインを学ぶ雰囲気を少しだけ伝えたいと思います。写真は毎週のプロジェクトミーティングの様子です。

この大学では、ゼミ形式のプロジェクトが通常の授業の一つとして開講されています。授業とはいえ、九州大学芸術工学部(芸工)の卒業研究のような量と質が求められました。調査・スケッチ・模型はもちろん、ポスター・冊子・プロトタイプを提出して、展示会も開催します。ドイツやヨーロッパ諸国の文化を楽しみながら、もちろんデザインの力もつけたい人にぜひ留学してほしい大学です。

この大学でデザイン教育を受ける雰囲気を感じられる話をもう一つ。6月末にデザイン学部の入学試験が行われていました。入試だからといって、大学は休みにならず、通常通り授業が行われます。試験の部屋の前で模型を作って、メンバーと会議をしても問題ありません。そんな雰囲気だったので、「今、入学試験をしているの?」と思ってしまうほどです。「隣の部屋で試験をしていて、そこにいるのが受験生だよ。」と友人が教えてくれました。「静かに!」というピリピリしたムードは一切なく、先生2~3人と、受験生数人が部屋に入り、面接やスケッチ、モデルの実技試験をしていました。

特に面白い点は、先生だけでなく、在校生の視点も取り入れて受験生を評価することです。試験の部屋には優秀な在校生も2人同席して、受験生に質問し、実技の結果を見ていました。芸工に置き換えれば、研究室や製図室に受験生が待機していて、普通に在校生もいる状態で、ラフに会話して、アドバイスをもらえるという雰囲気でしょうか。受験生も在校生が隣で製作しているカッコイイ模型やスケッチ、CGを目にして、デザインっぽい会議が聞こえて来る環境の中で試験を受けると、ここで勉強したいという気持ちが強くなって、試験も上手く行きそうだなと感じたのです。

この入試の一場面で垣間見えたダルムッシュタット科学技術大学の特色は在校生や留学生に対しても同じです。肩の力を抜いて王道のデザインを学べる環境がこの大学にはあります。

藤山遼太郎